PART 3:いきなり無名の新人を抜擢した理由は?
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| 【質問】 | どうして佳代ちゃんに白羽の矢を立てたんですか?
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| 【柳沢】 | 彼女の美しい瞳に射すくめられたからです。それは未知との遭遇を予感させました。
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| 【質問】 | それにしても無名の新人で写真集をつくろうなんて、ずいぶん冒険じゃありませんか?
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| 【柳沢】 | 無謀です。でも誰でも初めは新人なんです。誰かが発掘するか、そのまま埋もれたまま消えてしまうかが運命の分かれ目。彼女の瞳には力があったんです「私にチャンスを与えてください。必ず、いい写真集にしてみせますから…」と訴えるものがあったんです。
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| 【質問】 | だから佳代ちゃんに夢を託したんですか?
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| 【柳沢】 | そうです。そういう意味では彼女もまた私に人生の夢を託したんです。
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| 【質問】 | まさに運命共同体ですね。
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| 【柳沢】 | ええ。だって撮影が無事に終了しても、もし写真集が完成しなかったら、2人とも何のために1年間がんばったのかわからなくなってしまうんですから…。
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| 【質問】 | 無名の新人を抜擢したことによって困ったことは?
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| 【柳沢】 | それは出版社選びです。当たり前の話ですが、同じ内容の写真集だったら明らかに有名女優、有名タレントに負けちゃうんです。おそらく無名では、どこも出版を引き受けてくれないでしょう。最終的に、キラッと輝く何かが、どうしても必要になってくるんです。
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| 【質問】 | 柳沢さんが、佳代ちゃんに求めたものは?
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| 【柳沢】 | ずばり有名女優に負けないだけの「表現力」です。言い換えれば「演技力」…。
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| 【質問】 | それを引き出すために、どうしたんですか?
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| 【柳沢】 | 「かわいい、キレイだけのモデルで終わりたいなら、すぐにオレの前から消えろ! ほかのカメラマンのところへ行け!」と言い放ちました。
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| 【質問】 | 柳沢さんの言葉にはパンチがありますね。それを聞いて私までビビっちゃいました。それで彼女は、どうしたんですか?
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| 【柳沢】 | 「柳沢さんじゃなきゃ絶対イヤだ」と首を振りました。
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| 【質問】 | それで?
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| 【柳沢】 | 「そうなら黙ってオレについて来い!」とだけ言いました。
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| 【質問】 | カッコいいですね。今どき、そんな男もいるんですね。
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| 【柳沢】 | たんなる時代遅れの頑固者にすぎませんよ。
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| 【質問】 | ところで柳沢さんには無名の新人の写真集を出せる見込みはあったんですか?
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| 【柳沢】 | そんなもの、まったくありません。だって写真が悪ければ、すべてオシマイですから…。とても危険な賭けでした。でも揺るぎない決意はありました。有名女優、有名タレントは初めからキレイなんです。いくら美しく撮ってみせたって何の自慢にもなりませんよ。
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| 【質問】 | それで佳代ちゃんの写真集の撮影は、どうだったのでしょうか?
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| 【柳沢】 | おかげさまで、うまくいきました。
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| 【質問】 | 具体的には、どんなふうに?
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| 【柳沢】 | ほとんど私が描いたストーリー通りに、撮影を展開できました。
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| 【質問】 | 成功の原因を挙げると?
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| 【柳沢】 | それは美少女がファインダーの中で見事に美女に変身したこと。そして私と「一心同体」になれたことです。
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