ひ・み・つ(私の部屋)
少女の部屋には、数々の秘密が隠されていた。
真っ赤なカンガルーの縫いぐるみは、
いつも小さな願いを叶えてくれるらしい。
ミドリガメは少女のいたずらの
すべてを知っているようだ。
鏡を覗いているうちに過去・現在・未来を
往ったり来たりすることも…。
自由に魔法を使いこなすキミは、
いったい何者なんだ!?
これまで知らなかった素顔を
いっぱい発見できて良かったよ。
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幻のスプリンター(時を翔ける少女)
朝もやのたちこめる砂浜を
全力疾走する少女を見つけた。
日が昇ったころ、同じ場所にキミはいた。
腕を力強く振り上げ、脚を大きく開き、宙を翔け抜けた。
とっさにカメラを取り出し、
感性のおもむくままにシャッターを押した。
キミは逃げも隠れもせず、
ちょっとだけはにかんで
白い波のなかに入っていった。
一生忘れない…
幻のスプリンターのことを。
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ティンカー・ベル(小さな恋人)
きれいなメロディーを口ずさみながら、
女の子が目の前を足早に通り過ぎた。
キュートでチャーミング…。
一瞬、音符のマークが
楽譜のなかから飛び出して、
ひとり歩きはじめたかと思った。
キミと一緒にいると、みんな
新鮮な景色に見えてくる。
にじみ出る輝きは、さながら
ピーターパンに登場する妖精のようだ。
あるいは、どこかの王女さまかな。
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マドンナの日課(口説かれ上手)
「こんなに、もらっちゃった」
彼女は掌のうえで、紙切れを弄んでいた。
よく見ると、それらは名刺だった。
道で、すれ違う男たちが、
みんな渡したがるのだという。
断っても、断っても、相手はあきらめない。
強引にバッグに押し込んでくる者もいる。
仕方なく、苦笑いしながら「いつか、またね…って」
スカウトマンに人気のあるマドンナは、
ただモテるだけじゃつとまらない。
時には口説かれ上手でもあるのだ。
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白鳥の湖(真夏の夜の夢)
ある晩、不思議な夢を見た。
山奥の湖で釣り糸を垂れていると、
白鳥が飛来して、スイスイ泳ぎはじめた。
美しい舞に、胸がときめいた。
幾重にも波紋を描きながら
クルクルと回転し、
やがて白鳥は女の子に姿を変えた。
予期せぬ出来事に、かたずを呑んで見守った。
強い意志をたたえた大きな瞳が潤むころ、
少女は、そっとトゥシューズの紐を解き始めた。
それは白鳥に戻る瞬間でもあった。
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